Monsoon Town
さりげなく見せた白い背中は、別人だった。

後から男もスポーツカーに乗った。

「――待って!」

陣内が叫んだ時には、もう遅かった。

大きなエンジン音を立てて、スポーツカーが発車する。

クルリと一回転したかと思うと、こちらに向かって走ってきた。

グシャグシャ…

その音に視線を向けると、ひまわりが潰されていた。

潰された黄色の花びらが鮮やか過ぎる。

せっかくの誕生日プレゼントが、こんな無残な形になってしまった。

藤堂がそれを見つめていると、
「待って!」

その声に藤堂は顔をあげた。
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