Monsoon Town
母親が亡くなった。

大型トラックにひかれ、相手の男と一緒に亡くなった。

その知らせを聞いた陣内は、藤堂と一緒に母親が運ばれたと言う病院に向かった。

病院には、すでに父親と祖父がきていた。

突然の妻の死に、父親は声をあげて泣いていた。

吠えるように泣いても、母親は戻ってこない。

娘の死を受け入れられないと言うように、祖父は目を伏せていた。

陣内は、泣けなかった。

さっきまで、あんなに涙が出ていたのに泣くことができなかった。

大好きだった母親が、自分を捨てて、男と一緒に死んだ。

自分は、母親に愛されていなかった。

母親は母親で、相手の男を愛してた。

そして、自分を置いて男と一緒に出て行った。
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