Monsoon Town
たったそれだけのことなのに、ひまわりの目から涙がこぼれ落ちた。

自分には、彼しかいない。

抱きしめている彼しかいない。

彼しかいらない。

「――陣内さん、好き…」

そう言ったひまわりに、
「知ってる。

知ってるから、そばにいる」

陣内は答えた。


ドアを開けると、陣内はまだ寝ているらしい。

「まあ、あいつはいつも寝ているけどな」

そう呟きながら、藤堂は靴を脱いでリビングに行こうとした。

ふと陣内の部屋に視線を向けると、ドアが開いていた。

部屋の中を覗いて見ると、陣内はそこにいなかった。

(これは、デジャヴってヤツか…?)

前にも似たようなことがあっなと思いながら、藤堂はひまわりの部屋へと足を向かわせた。
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