Monsoon Town
綾香は勝ち誇ったように口角をあげると、
「そう、伝えておいてちょうだい」

そう言って、藤堂に背中を向けた。

背筋をシャンと伸ばして、歩くその姿はまるでモデルのようである。

「――あの…!」

その背中に向かって、藤堂は声をかけた。


同じ頃。

「――切り過ぎちゃったかも…」

トイレの鏡を見ると、那智は息を吐いた。

昨日、美容院へ行った。

美容院は高校生の時以来だったから、すごく久しぶりだった。

そこで、少しだけ髪型を変えた。

胸元まで伸びた髪を肩につくかつかないかのところまでカットしてもらった。
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