Monsoon Town
重たかった髪が羽でもついたのかと思うくらいに軽くなった。

これもすべて、失恋からの旅立ちのためである。

今までの自分とは、もう違う。

新しい恋に踏み出すために、陣内よりも素敵な人を見つけるために、自分は生まれ変わったのだ。

「――別にいっか!」

吹っ切れたように那智は言うと、トイレを後にした。

似合わないと言われようが、何を言われようが、そんなことはもうどうでもいい。

自分は、自分が決めた人生を歩いて行けばいい。

恋をすると、人は変わる――その言葉通り、自分はそんな恋をしたなと思った。
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