Monsoon Town
「じゃあ、お前は彼女に対して何をした?」

冷たい声で言い放った陣内に、日高の表情が固まった。

「自分だけを見ていればいい、自分だけを愛していればいい――結果的に、ひまわりはどうなった?」

陣内のその問いに、日高は目を伏せた。

「結局は、ひまわりを傷つけて笑顔が消えただけ――そうだろ?」

「――ッ…」

「お前がひまわりに行ったことは、彼女の躰と心をボロボロに傷つけただけだ」

陣内が言った。

それに対して何も言い返すことができなかったのが、悔しくて仕方がなかった。

けど、それは全て事実である。
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