ラブレター
第1章
私達が出会ったのは
今から5年前の出来事だった。

まだヒンヤリとした4月の入学式。
県外の高校へ入った私は、友達が1人もできなかった。
人見知りの激しい私。
人に話かける事はとても難しい事だった。
自分の席でたった1人座りながら、携帯をいじる。
他校にいる彼氏とはかなり離れてしまい、週1で逢うことしか出来なかった。
周りはうるさい。
『ひろ~…。友達できない(>_<)』
彼氏の名前は広倖(ひろゆき)
中2から付き合っている。
でも、ひろはかなりモテる。私はとても心配だった。
「頭いてぇ-…」
隣の席に来た男。
金髪でピアスがいっぱいの【不良】だった。
ヴ-!!ヴ-!!
マナーモードにしてあった携帯。
音は、うるさかった。
『人見知り激しいもんな(^_^;)
でも、芽惟(めい)は、そ-言う所可愛いじゃん(*^_^*)
頑張れ(^o^)』
人見知りの私が可愛い…?
ひろに言われたら嬉しいけど…
ただのアホなのにな…。
『もうすぐ入学式始まるから…
また後でメールしよ(^_-)-☆』
携帯を閉じて制服の内ポケットに入れる。
スカートのポケットに入っていたチョコを食べる。
「彼氏から?」
隣に居た不良がそう言った。
他の人に声かけているんだよね。
私はそう思い、音楽を聴き始めた。
「芽惟~無視ですか?」
< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop