クリヴァル
大剣使いの師匠と弟子。
実に対象的な動きで一歩一歩、歩みを進める。
―――――――――一瞬、時が止まったように見えた。
背中あわせに、華麗ともいえる滑らかなステップ。
ボルグとストークは背に目でも付いているかのように、背面の敵にも的確にその剣先が届いた。
ジャリッ ジャリッ
二人のすり足の音だけが耳に残った。
ビシャッ
肉塊が空から降って、地に落ちた。
「………すぐに次が来る、先に進むぞ」
残された空間に、物言わぬ残骸が転がっていた。