REAL HOPE Ⅰ



目の前をなめらかに滑るようにして停止する紫がかった黒い車




「乗って?」



半強制的に男は私を車に押し込むと自分は助手席に入りこんだ。



ふかふかした車内

癒し系の洋楽が小さく流れる


なのに私は落ち着けないでいた。



そう、私の隣で無愛想に大きく足を広げて座るこの男

完全に私の存在を無視しているのに…この威圧感



「ねぇ名前何て言うの?」



そんな事すら気にせず話し出す助手席の人物


「ジュン、」



てかこの高級車は誰のなんだろう


なんなのあの恐い面の運転手の兄ちゃんは…




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