REAL HOPE Ⅰ
「あれ?レツいないな。」
ハルマが部屋を見渡すけれど、そこにレツの姿はなくて私は手を引かれたままソファーへと座らされた。
「じゃあ湿布はるからね」
ハルマは棚にあった救急箱から湿布を取り出すと、もおすでに赤みが引き出している私の手首に貼る
「ありがとう」
ハルマはきっと妹がいたら過保護に違いない
私が湿布を貼ってもらってすぐ、少し乱暴にドアが開くとレツが入って来た
レツは当たり前みたいに黒紫のソファーに座ると、ポケットに入っていた煙草を取り出して火をつける
煙はまるで蛇を描くように上へと舞い上がり
白い煙は空気候へと吸い上げられた。
苦い匂いが広がるこの部屋は、静かなほどに寒い空気が流れている…