沈黙の天使
第12章 訪れた幸せ
西日が微かに窓から入って来ている。早いのか遅いのか、一日の半分以上を過ごし終わった。
絵美と薫は立ったまま目を閉じて涙を流すケイをずっと見ていた。
ケイは笑顔のまま立っている。
「ありがとうエミ。これで心置きなく死ぬことが出来るよ…」
ゆっくりと目を開け、涙で歪む絵美の顔を見る。
そう、絵美には父親を殺すという仕事が残っている。
「絵美ちゃん、殺し方が解ったって言ってたけど、本当に殺してしまうの?絵美ちゃん、自分から人殺しになろうって言うの?」
ミアが消えてしまうのを見ていたからか、うっすらと目に涙を浮かべる薫が、何とも言えない哀しい表情で絵美を見る。
「うん。大丈夫。人殺しにはならないよ」
そう言う絵美に軽く笑ってケイが答える。
「俺は人には見えないからな」
俯く薫に、首を横に振る絵美。
「父上を殺すのは半分。そしてあたしも半分死ぬ」
笑顔で喋る絵美に、訳の解らない表情をする薫とケイ。
絵美と薫は立ったまま目を閉じて涙を流すケイをずっと見ていた。
ケイは笑顔のまま立っている。
「ありがとうエミ。これで心置きなく死ぬことが出来るよ…」
ゆっくりと目を開け、涙で歪む絵美の顔を見る。
そう、絵美には父親を殺すという仕事が残っている。
「絵美ちゃん、殺し方が解ったって言ってたけど、本当に殺してしまうの?絵美ちゃん、自分から人殺しになろうって言うの?」
ミアが消えてしまうのを見ていたからか、うっすらと目に涙を浮かべる薫が、何とも言えない哀しい表情で絵美を見る。
「うん。大丈夫。人殺しにはならないよ」
そう言う絵美に軽く笑ってケイが答える。
「俺は人には見えないからな」
俯く薫に、首を横に振る絵美。
「父上を殺すのは半分。そしてあたしも半分死ぬ」
笑顔で喋る絵美に、訳の解らない表情をする薫とケイ。