人の恋を笑うな
水曜日、私は夕方おにぎりを食べて、会社で時間を潰していた。そのうち社長が仕事から帰り、私達はタクシーで、またあのバーに行った


『今日、相談に乗るの二人目だ』と社長は笑った

『そうなんですか?』


『ああ、ねねにな』


『離婚の事ですか?』


『それが笑うんだ…』


話しはこうであった。ねねさんの仕事場に呼び出された社長は彼女にこう言われたらしい


『先輩、私おかしいんです。久しぶりに味わった感覚で…ドキドキするんです。私、好きな人できました…でも私には不釣り合いで考えるとすごく悲しい…

歳の事や離婚した事も私のハンデで、中々言い出す機会ないんですよ

しばらく恋なんてって思っていたはずなのに、自分でも驚いてます。どうしたらいいのかわからない』


ねねさんが恋?!まさか社長にコクった?


『相手は店の常連さんらしい…なあ乙女。俺は正直へこんでる、高校生の時から今にいたるまで、俺はなんで本気の恋ができなかったのか、ねねの告白でわかったんだ。理想云々、そんなんじゃない。俺はねねを好きだったんだよ

だからあいつのために動いたり、世話やいたりいろいろできたんだ

どんな美女より、ねねは俺の最高の理想の女なんだよ』


私はアゴが外れそうになった…


社長の好きな人がねねさんだったなんて…


しかもねねさんにも好きな人がいる…てかさ、私の相談どころじゃないじゃない!
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