人の恋を笑うな
『兄貴の部屋に日曜日来てるやなんて…二人とも熱々の関係?』


『違います!社長が熱だして倒れたんですよ。それで様子見にきて…看病というか…』


『兄貴寝てるんか?そんならもっと寝かしとこか』


『暇だから映画観ていたんです。晩御飯作る約束したんで…』


『あ、俺も乙女ちゃんの手料理食べたい!かまへん?』


『ホントにいいんですね!文句は言わせませんよ、社長のリクエストなんですからね!』


『全然。夏子ちゃんのお姉さんの料理、楽しみや』


『で、二人はどうなんですか?』


『順調やね…うん、怖いくらい!休みの日は実家によく遊びにいくねん。そしたらもう、お母さんもお父さんも喜んで…兼業農家なんやね。お父さんは市役所に勤めとるとか』


『そう、市役所の戸籍係のとこに鎮座してる。畑はだいたいお母さんとおばあちゃんですましてるからね。力仕事の時はお父さんも借り出されて…てか隼人さん…狙われてますよ』


『なにが?』


『うちの家族ですよ!うちは女二人しか子供いないから片方絶対養子っていってましたもん!もしくはマスオさんにされますよっ!』


『俺かまへんねん。夏子ちゃんがそれ望むなら将来は農家しても。大阪のお袋と親父もそう言うとる』


『本気ですかぁ〜!ダメですよ。要注意デスヨ』


私達の会話で目が覚めたのか、社長が起きてリビングにやってきた


『兄貴大丈夫なんか?』


『ああ、今計ったら熱、平熱だった。桃井の奴、自衛隊の薬でももってきたのかな』と笑っている


昨日は死にかけてたくせにタフな人だ…
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