人の恋を笑うな
大阪出張は一泊二日だった。1番の新幹線に乗り、新大阪へ…


改札口の前で島田さんという大阪のスタッフさんが迎えに来てくれてるらしいが…


携帯が鳴った


『桜川さんですか?島田です。青いコートの方ですよね?』


『はいそうです。島田さんは…』


『オレンジのダウンジャケットです、後ろ』


振り向くとダウンジャケットの男性が笑いながら立っていた


ロン毛にニット帽をかぶり口ヒゲ、いかにも今風な人だった


『こんにちは、はじめまして。桜川です。いつもは電話で話すだけなんで』


『はじめまして、島田充です。ホントですね、声では怖そうなイメージなんですけど、本人みると全然違います』と島田さんは笑った


『私はもっと年上の方かなと思ってました。まだお若いのでびっくり25くらいですか?』


『28です。お腹空いてませんか、ランチとってからスタジオ案内しますよ』


駐車場に案内されて、トラックのような車に乗った


『すいません、機材の運搬用の車なんで』


『大丈夫ですよ。こういうの慣れてますから』


『あっちでもこんな車乗るんですか』


『昔建設会社に勤めてて、現場いくときにいつもこんな感じの車乗って行きましたから』


『へええ…そうなんだ』


『島田さんは東京の方なんですか?』


『そうです。他のスタッフは大阪の人間なんですけどね』


話しているまに、オシャレなカフェに着いた


『車パーキングに入れてくるんで、中で待っててください』


私はカフェに入り開いてた奥のテーブルに座った
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