向こうに行くたびに、
よく美雨と由美と三人で
飲みに行った。


あの頃の美雨は…



今とは違い、
行動的で…
明るくて…


たくさんの人に
可愛いがられていた。



俺も、由美も、
その内の一人だった。



本当にキラキラと輝いていた…



五年前のあの日までは…。



その日を境に



美雨は闇の中へ消えた…。




当時の事務所の社長も

美雨の為に、一生懸命

闇から助けだそうとした…




それまで知らなかったが、
美雨には身寄りが無かった

両親を事故で亡くし、
兄弟もいない為、

一人ぼっちだと
社長から聞いた…




話し合った結果、

もともと美雨の能力を
買っていた事もあり、
日本に連れて帰り
俺の事務所で引き取る事にした。



由美も帰国して
日本で仕事をする事が
決まっていたから

(彼氏にそろそろ帰って来いと言われたらしい)


二人で、美雨の保護者になろうと決めた。





しかし…



美雨の闇は消えてない。



俺や由美に
心配かけまいと
明るく振る舞っているが…




今も




闇の中で震えながら、




泣いているんだ…………。





< 19 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop