second〜切ない恋の物語〜
[11]ポジション
「まじ!?」

静まりかえった図書館で、

奈津美が叫んだ。

「シーーっ!」

私は、周りに頭を下げる。

「外に出よう。」

奈津美が私の腕を掴んで、出口に向かった。




大学内のメイン通りに両サイドに並んだベンチ。

奈津美は、私をそこに座らせた。

「で?続き。」

「だから、それからキスして、夜景見て、帰った。」

「ははーぁ??何それ。」

「何って?」

「莉奈のポジションは何?」

「ポジション?」


「そう。彼女がいるから、遊び相手?それとも、彼女と別れるの?」

「分かんないよ。。」

「前言ったじゃん。モーションかけてきたら、彼女は?って言いなって」

「聞けなかったよ。怖いもん。」

奈津美は、真剣な顔で言う。

「ハッキリさせないと、辛いのは莉奈だからね。今はこのままでよくても、いつか、答えを出さないと。」

私は何も言えなかった。

けどね、奈津美。

私、野上さんが好きになってしまったんだよ。

もうブレーキはかからないんだ。
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