青いリスト
青いリスト
青いリストとは、私の人生の葉脈である。
実体験をベースに、大きな木の枝に付いている葉のラインまで見つめてみた。
それは遠くからでは全く見えない。近くからでもそれを見ようとしなければ目に入る事もない。
そして目に入れなくても別に構わないものだ。
すぐにそれを見つける事が出来るのは、何にでも興味を示す子供ぐらいなものだ。
私達は常に社会の中に囲まれている。
大人になれば社会に出され、葉脈を見つけ出す事が出来なくなる。
そして人を傷つける事が自然と身に付き、それに沿った言い訳に近い弁解を強いられる。
傷つけられるのは決まって弱者であり、弱者が弱者を傷つけるという負の連鎖を止める術を私達は教えられていない。
今日、今、この瞬間に傷つけられ、死を考えている人間は必ず居る。
誰も助けてやる事が出来ないという現実を、社会に出される前に誰かが教えなければならない。
年間自殺者をグラフで表す無神経さ、どこで、どのようにイジメられて自殺をしたか、とまで報道する死者に対する侮辱。
それに対し、加害者の姿には目の集点を当てない視聴者。
[かわいそう][酷い]
この言葉をあたかも当然のように朗読し、自己の安心を得ている関係のない人間達。
[じゃぁどうすればいいの?]
私達一人一人が加害者である事を通説に考えたい。いや、自分の中で持ち続けたい。
持続するのは困難だ。
欲望は次々と目の前にやってくる。
そして、その一瞬のスキを狙われる。
言葉では簡単だ、言葉は信用出来ない。
言葉は見えなくても見せる事が出来る。
私達が加害者だと持ち続けている心は見えない。
見せるのには言葉が必要になってくるからだ。
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