先生…ごめん、愛してる。【完】
  


「琳架さーん、パン焼けたよ。」


「ありがとう、分けて並べておいて。」


「はーい。」


 羚音は、助けてくれた夫婦のパン屋で生活していた。


「ミナちゃん、だいぶなれたね。」


 常連さんが声をかけてくれ羚音は、微笑んだ。
 母の名前を名乗り立ち直ろうと真剣に頑張っていた。


「ミナちゃん、大丈夫?」


「はい。」


 羚音の心臓については、すでに病院の医師から説明を受けていた。


「いい傾向ね、賢。」


「あぁ、元気になった。」


 夫婦は、妹を見るように羚音を大切にしていた。



 無くしたツバサを取り戻すまで……


  
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