先生…ごめん、愛してる。【完】
‡第27羽‡ 決断
  

 もっと早く気づいていたのなら…

  もっと早く…
 君を迎えに行くべきだった。



「どうですか、落ち着きましたか?」


 看護師は、病室を訪れた。


「打ってもらった鎮静剤が効いてよく眠ってます。」


「そう…良かった。拒否反応が出たのでしょう。」


 看護師は、言って羚音の髪をそっと撫でる。


「そうですか…
(羚音…思い出したくないならそれでも……いい。)」


 棗は、見つめて返す。



【「……ここ…」】


【「来たの? 来ちゃったのね。」】


  
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