ブルー・フィールド
 
 女子200mフリーは、100mよりは1組少ない4組で行われる。

 由美は6コースだから、この組4番手、トータルでも12番目となる。

 もともとスプリンターと言うか、まあスタミナの無い由美には、この位置から決勝を狙うのは厳しいかな。

 選手が順に入ってくるが、見える限りでは、由美の様子はいつも通りか。

「由美はもともとあんまり寝ない方だからね」

 あーちゃんが欠伸をしながら教えてくれるが、しかし、大きな欠伸だ。

「そう言われれば、遅く帰った次の日も早起きしているな」

 寝る子は育つと言うが、あまり寝ないから育たないんだろうか?

 あそこで欠伸をしているお方は、十分寝て、縦には育たないが、横には育ってるみたいだけど。

「私は普通よ。誰かさんみたいに、授業中寝るなんてしないし」

 誰かさんって誰だろ? 休み時間も続けて寝ている俺でない事は確かだな。


 選手紹介を聞いていると、どうやら4コースは桜坂女子の二年生らしい。

 藤岡先輩の後輩になるが、だからといって、気にする必要はないか。

『位置について

よーい

パーン!』

 レースが始まった。

 由美のスタートは、無難なスタートだったが、7コースと8コースがやや遅れ気味に見えたが。

 4コースを筆頭に、コース順に潜水から浮上してくる。

 15m辺りでは、4コースと5コースが頭一つリード。

 続くのは、3コースと6コースの由美。

 ほぼ同体だが、気持ち遅れて、2コース。

 さらに気持ち遅れて1コース、7コース、8コースが並ぶ。

 いわゆるピラミッドレースの展開になっている。

「寺尾さん、ちょっと遅れ気味かな?」

 寝不足でくたばっているあーちゃんに変わり、ラップを取っているのは鷲見先輩。

「それだとキツイですかね」

 あえて前半をセーブしていればいいが。

 水泳の事になると、いつもの可愛さはどこへやら、強情と言うか、負けず嫌いになる時があるからなあ。
 
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