赤い白ワイン
無造作に口に銜えていた煙草を溜まりの出来た路上で踏み消し、不本意ながら私は彼に肩と傘を提供する。
また署長に怒鳴られるな…。
私は軽く感嘆を吐く。
署長というのは、お世辞にも優しいとは言えないイーストドッグ警察署の署長のことで、他の署とは比べ物にならないほど人員の少ないイーストドッグ警察署では、どういう理屈からか署長が刑事課の課長としての椅子まで持っている。
本当に好い加減な町だとつくづく思う。
と、いうことから彼は私の勤めている警察署の纏め役であり、私が所属している刑事課の纏め役でもあり、私の直属の上司(しかも「課長」ではなく「署長」と呼ばなければ、たちまち機嫌を損なうことになるという面倒な特性を持っている)でもあるのだ。
また署長に怒鳴られるな…。
私は軽く感嘆を吐く。
署長というのは、お世辞にも優しいとは言えないイーストドッグ警察署の署長のことで、他の署とは比べ物にならないほど人員の少ないイーストドッグ警察署では、どういう理屈からか署長が刑事課の課長としての椅子まで持っている。
本当に好い加減な町だとつくづく思う。
と、いうことから彼は私の勤めている警察署の纏め役であり、私が所属している刑事課の纏め役でもあり、私の直属の上司(しかも「課長」ではなく「署長」と呼ばなければ、たちまち機嫌を損なうことになるという面倒な特性を持っている)でもあるのだ。