赤い白ワイン
そんな彼から散々怒鳴られ、雷を落とされている私は、冗談ではなく本気で署長のことが嫌いだ。
イーストドッグ警察署に配属されて間もない頃、それこそ駆け出しの警察官だった頃の私に比べてみれば幾分神経も図太くなってきたようで、署長に怒鳴られることも私の平凡な人生のほんの一時的な刺激でしかないイベントのようなものとなっている。
ただ単にそれは恐ろしく面倒臭くて、私にとって避けて通りたい事柄で、溜め息の原因の一つでしかない。
だから私が彼のことを毛嫌いしようが、どちらにせよ向こうさんも私のことを目の敵にしているのだから、私が個人的に何をしようがお相子ということで愚痴文句は脳味噌の中の片隅に捨て置いておこう。
私は自分勝手な理論を説き、肩に担いでも抵抗を見せないこの青年と共にもと来た道を引き返す。
肩に担いだ身体は、私と同じ男だと思えないほどに―――路上に転がる紙屑のように軽かった。
イーストドッグ警察署に配属されて間もない頃、それこそ駆け出しの警察官だった頃の私に比べてみれば幾分神経も図太くなってきたようで、署長に怒鳴られることも私の平凡な人生のほんの一時的な刺激でしかないイベントのようなものとなっている。
ただ単にそれは恐ろしく面倒臭くて、私にとって避けて通りたい事柄で、溜め息の原因の一つでしかない。
だから私が彼のことを毛嫌いしようが、どちらにせよ向こうさんも私のことを目の敵にしているのだから、私が個人的に何をしようがお相子ということで愚痴文句は脳味噌の中の片隅に捨て置いておこう。
私は自分勝手な理論を説き、肩に担いでも抵抗を見せないこの青年と共にもと来た道を引き返す。
肩に担いだ身体は、私と同じ男だと思えないほどに―――路上に転がる紙屑のように軽かった。