いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
そして、運良く健司、泰造、陽のいつもの3人が現れたので、フェードアウトするかのように屋上を去り、教室に戻った。

自分の席につき、腕を組みながら首をかしげた。


……やはり、おかしい。


何が、と聞かれても、これといった確信はないけれど、最初の頃のような威圧感やとげとげしさがなくなった。

妙に丸くなったな…。

まぁでも、睨まれないのはいいことなのかもしれない。


うんうんと頷きながら1人で考えていると、いつの間にか隣に座っていた佐山君が話し掛けてきた。


「原田さん、数学はどう?順調?」

「…え?」


……ああ。

そういえば、分からない所があったら教えてもらうって言ってたっけ。

すっかり忘れてたのに、わざわざ気にしてくれてたんだ。

やっぱりイイ人…。




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