いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「……ない」

「え?何?」

「だから、連れて行ったことなんて、ない」

「ええっ!?ないの!?」

驚きで声をあげる私を、久世玲人はバツが悪そうに見てくる。


「そんなめんどくさいことするかよ」

「めんどくさいって!?彼女でしょ!?デートとかしたことないの!?」

「ない。第一、こんな真っ昼間から会いたくねえよ」


……なんて奴だ…。

歴代の彼女たち、かわいそうに…。

デートもなし、夜しか会わないという、久世玲人のサイテーな付き合い方が、今の言葉で分かってしまう。


その点、今日は私と、こんな真っ昼間からデートをするなんて…。


本当に、久世玲人はどういうつもりなんだろうか…。

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