同居から始まる恋もある!?

武は無言のまま、合鍵をわたしに手渡した。


「謝らなくていい。俺がサチを嫌になって、振ったんだから」

「武、」

「けど、サチも物好きだよ。あんな、綿飴みたいな男のことが好きだなんてさ」

「わ……、綿飴?」


思わず声をあげたわたしに、小さく笑った武。それが最後だった。

じゃあな、と言って背を向ける。その背が見えなくなっても暫らく、わたしはその場所から動くことが出来ずにいた。


シンと静まり返った部屋。

身体中の力が一気に抜けて、そのまま床に座り込んだ。


「……最低、わたし」


泣く資格も、後悔する資格も、わたしにはない。

全部自分で選んで、決めたことなのだから。


ぎゅっと心臓が押しつぶされそうになるのは、自分勝手だ。

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