同居から始まる恋もある!?
薄暗い帰り道、遠くから見える自分の部屋に明かりがついているのを見つけた。
芹生も、きょうは家にいるらしい。
時折、どこへ行くのかは知らないけど、彼は仕事探しの傍ら、夜に出かけて朝まで帰ってこないことがよくあった。もしかして、聞いてはいないけれど、恋人のところだったりするのだろうか。
武みたいに、芹生の彼女も実家暮らしと考えれば、当然住まいを頼ることもできないだろうし。
そんなことを考えつつ、静かに部屋のドアを開けると、スパイスの香りがふわりと鼻をくすぐった。
「あ、おかえり。サチ」
「ただいま。なんか、カレーのいいにおいがする」
「ふふふ。サチの大好物のチキンカレー。食べる?」
キッチンにむかって、パッと鍋の蓋を開ければ、ふわりと湯気が立ち上り、とろとろに煮込まれた美味しそうなカレーが鍋いっぱいつくられていた。
おたまでくるくるとかき回すと、時折オレンジ色の小さなかけらが見える。
こどものころから、にんじんが大嫌いで、芹生はそんなわたしを見かねて、いつも隠すように細かく刻んで調理してくれていたのだ。
「……」
「どうかした?」
「ううん、なんでもない。あー、お腹減った!」