先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
原因は間違いなく1つ、昼間の出来事。


原さんとその彼女の存在に気付いていたから、眠ったフリをして。


「宮澤さん」
「何だ? 」
「今日、気付いてましたよね? 原さんと話してるの」
「だから? 」


ダメだ、自分の心の中には絶対に踏み込ませないようにガードしているのが分かる。


でも言わなければ僕はきっとこのまま飲み込まれて、最終的に一番ダメな結末を迎えるだろう。


「原さんと付き合ってたんですよね、前に」
「ああ、でももう別れた。だから安心しろ」
「どうして傷ついてないフリをするんですか? かっこ悪いからですか? 」


いつもの僕のように穏やかに返そうと思った、だけど気持ちが先走って勢いが付き過ぎてしまいつい口調がキツくなる。


「傷付くも傷付かないも、神崎の知った事じゃないだろう? 」


近づいて来る魅力的な唇や、目の前へ迫る白い胸へ対して目を閉じる事で拒み、ベッドカバーを頭から被った。
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