先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
真っ赤なローソク
鷲崎先生の話をベースにプロットを書き始めたのは、その翌日。


バイトが休みなので1人部屋に篭り、ひたすらPCのモニターとメモ帳を交互ににらみながら登場人物を書き出して行く。


主人公は勿論先生で、表向きはごく普通の高校2年生の女の子。


だがその裏では残虐なイラストや文章を綴る人気サイトの管理人として、ネットの世界でマニアから崇拝されている。


そしてその相手役は主人公と同じ高校に通う、これもまた同じ2年生の男の子。


クラスではお調子者として人気で、いずれは芸人になるのではないかと噂もされている程だが、家に帰れば別人のように暗くなり、主人公の作るサイトへ入り浸っては崇拝者のリーダーとして活動している。


ここまでは良かった、だが他の登場人物が難しいし、2人の関係をどう運んで行くかで悩んでしまい手が止まった。


そうだ、こんな時は紅茶で一息入れようと椅子から立ち上がり、キッチンへ向かう。
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