アタシタチノオウジサマ
「光君、最近大変らしいわよ。」

 光君の情報は、ほとんどお母さん伝えで入ってくるようになった。

「学校を無断で休んだり、帰りがとても遅いらしいわ。叱ると暴力を振うこともあるそうよ。」

 光君のお母さんは、息子をとても溺愛していた。光君も、お母さんの期待にこと得ようと頑張っていた。

 だけど、お母さんの想いは光君を束縛していたのだ。そして、いつからか、光君はお母さんから解放されたいと思うようになっていたようだ。

 光君はどんどん変わっていった。


「光君ね、2、3日家に帰ってないらしいのだけど、あんた何か知ってる?」

 中1の終わり頃、お母さんにそう聞かれた。

「中学に入ってから会ってないし、知らないよ。」

「そうよね。髪も金色に染めたみたいだし、あの子本当にどうしちゃったのかしらね。」

 それから光君は、時々家に帰ってきた。服などを着替えにきているらしい。両親も愛想尽きて、ほとんど同居人状態だそうだ。

 あたしも、光君のことなんて気にしなくなった。

< 44 / 46 >

この作品をシェア

pagetop