神様娘の憂鬱
ギュッと強く抱きしめられているのにその腕はどこか優しくて
私のやせ我慢はすぐにとかれてしまった。
本当に・・・
「…私は無力だ」
ボロっと大きな涙がこぼれ落ちた。
なにが神様の娘よ。
何が神様の後継者よ。
いくら寿命が見えようとも、
いくら神力があったとしても、
1つの幼い命さえ救えなかった――
『叶音お姉ちゃん!』
ごめんね・・・リカちゃん。
救えなくてごめんね。
そして
出会ってくれてありがとう-…
この夏、真っ青な空の下私は知った。
小さな天使の存在と自分の無力さを。