私こそ光る☆君 ~番外編~
『あっ、わかった!!』


ポンッと手を打った。


『遥、手怪我したんでしょ?

待ってて。

ばんそうこう貼って、“痛いの、痛いの飛んでけ~”してあげるから!!』


「ちげーよ!!」


ピシャリ。

声高な宣言を真っ向から否定された。


「幼稚園児の遠足じゃあるまいし。

行くぞ、ほら!!」


『えっ、あっ、うっ、うん!!』


ビックリした。

本当にビックリ。


遥はまだバッグの中に入ったままだった私の手を強引にさらい、自分の手をそこに重ね合わせ、ギュッと指先に力を入れた。


なんだかとっても恥ずかしいです。

さっきのあれ、手を繋ごうってことだったんだ……。


手の平に遥の体温を感じてさらに恥ずかしくなったけれど、それが嬉しくもあって、少しだけ力を込めて握り返した。


遥、この“おててつないで”な状況は幼稚園の遠足っぽくないかな?


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