爽やか王子と内気少女
「新垣、こっち!」
永井君は自分の隣にある椅子をテーブルから少し引いた。
「座れ」って事らしい…
何を思っているのかわからないけど、
永井君が図書室に入ってから動揺してばかりな私は、躊躇いながらも動揺を隠しながら隣に座った。
隣に座って永井君を見れば、意外に近い距離だったので、目を逸らして下を向く。
夕日が差してる場所で良かった…
きっと私の顔は赤いから、夕日が隠してくれてるだろう。
「前にも言ったけど、折角席前後になったんだし、もっと新垣と話たいと思ってさ!……いつもあの二人に邪魔されるし……」
「あっ、ああ!……えっ二人って誰?」
「あっそこは気にしないで!」
無邪気に笑いながら永井君が言うから、鼓動が早まって、気にするどころでは無くなってしまう。
私にとっては今を乗り切るのがいっぱいいっぱいなようだ。