爽やか王子と内気少女





窓の外は運動部の声が響いてるけど、校舎は人気がなく静か。



誰も居ないと思った教室のドアを開けると、
中には一人いた。

夏の夕焼けの中、眩しさから目を懲らすと、


窓枠に座りながら斜めに外を見る永井君。




ドアの音に気付いてこちらを見た。






「新垣…」



私も驚いたけど、永井君も人が入って来た事に驚いたみたい。






「な永井君…帰らないの?」



確か永井君は帰宅部だったはずだから、遅くまで残ってる事はあまり無いと思う。
ただでさえ人気の彼だから、他の友達がほっとくわけないんだ。


なのに永井君は一人でいた。




一瞬だけど、ドアを開けた瞬間見た永井君の顔がまた寂しそうだった。




「ちょっと遊んでたらこんな時間になってた。鞄置きっぱなしだったから俺だけ教室来たんだけどさ、
夕焼けって夏でも悪くないな~って思いながら見てた。なんか青春っぽくて。


新垣は?」



 
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