永遠の星空
突然、茉莉の携帯が鳴った。

「・・・もしもし」

「もしもし、茉莉ちゃん?
 あなた遅いじゃない!
 いったいいつになったら帰ってくるの?!」


母親の金切り声が聞こえた。


「英治(えいじ)さんも心配してるわよ!」

「わかってます。今帰るところです。」


ブチッ―


それは、雅大の耳にも届いていた。

茉莉は雅大に背を向けていたが、

不機嫌そうになったのを雅大は背中越しにも感じた。


「もう、嫌になっちゃうわ。
 好きでもないのに、許嫁だからって・・・。」


 ―許嫁?どっかのお嬢さんか?
  今時そんなんて・・・。



雅大は一瞬たじろいだが、心は茉莉を捉えている。
 

 ―このコんこと、もっと知りたい。。。


雅大は、いつの間にか
歩き出していた茉莉を追いかけた。



< 9 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop