未来観測
彼の怒った声。
一方的に切られた電話。

何もかもが初めての経験で
あたしは頭がパニック状態だった


一体何が原因でこんなことになってしまったのか。



ふと思う。
大人になってしまったあたしと
高校生の彼との差。

高校生の恋愛なんて、所詮自己満足の押し付け合いだ


ただただ一緒にいたくて
それだけが深い意味を持って。

だけど大人になるにつれ
“自分だけの時間”というものが大きな意味を持っていくことをあたしは知っている。

一人で考える時間。
一人だけの空間。

あたしの場合は自己が確立されていくに連れ、そういう気持ちは強くなっていく一方だった



だけど。

これはあくまで23歳あたしの考えであって
彼の
18歳の彼が担う考え方ではない


分かっていたつもりだった。
十分に分かったつもりでいたのに。


この時あたしは初めて

彼との“差”をはっきりと感じてしまったんだ




< 129 / 231 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop