未来観測
あれから。
どんなに考えても正解は見えなくて
結局こうして次の日の朝を迎えている

冷静になって思い返してみると
一体何が理由で彼があそこまで怒っていたのか、理由が分からない


でもあたしだって喧嘩したままは嫌。

そうだ。
今日の夜にでも、あたしからちゃんと赤谷君に連絡しよう。
そして謝って、仲直りするんだ。

そんなことを悶々と考えていると
後ろから何か重い衝撃を受けた


「ぎゃっっっ」


驚きと共に醜い声が出る
ドスッと勢いよく尻もちをついた

な…何!?


恐る恐る後ろを振り向くと
そこには顔見知りの男子生徒たちがいて
あたしの様子を見るなり、驚いた顔でこちらに向かってくる


「えりちゃん、大丈夫!?」


恐らく廊下でふざけて走り回っていたのだろう
運悪く背を向けながら走ってきた生徒と
あたしの背中がぶつかり
こんな状態に。


「…大丈夫」


あたしは痛むお尻と
擦りむいた足をかばうように立ち上がろうとし
笑顔でそう答えた



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