未来観測
一瞬静まった保健室。

やばい。
仲直りしたかったのに、あたしったらまた嫌味っぽいことを…



「先生はさ…
どれくらい俺のこと好き?」


「え?」


突然の話題に戸惑うあたしをよそに
彼は真剣な目であたしを見つめる


「俺は…あの日から、もっともっと先生のこと好きになってるよ。
どうしていいか分かんないくらいに。」


あまりに強い意志を持った眼差しに
あたしはとっさに彼から目をそらしてしまう

そんなあたしの様子にふっと優しく笑った彼は
ゆっくりとあたしに近づき口を開いた


「ずっと先生に会えなかった時にね。
俺夢になっちゃうと思ったんだ、今までのこと全部。」


「…夢?」


「うん。
馬鹿みたいなんだけどさー。

勝手に不安になって…
色んな噂に惑わされて。

だからさっきも…あんな態度。本当ごめんね」


「そんなに謝らないでよ…」



そんな風に謝られちゃうと
あたしは何も言えなくなってしまう。



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