未来観測
彼の口から漏れる一言一言が
あたしの胸をぐっと締め付ける

どんな言葉より
彼の全てがあたしの全てだった



「…あたしも。
ごめんね、ずっと会えなくて」


「ううん。
てか昨日はごめんなさい。

先生が色々忙しいの分かってたのに・・・俺ちょっと拗ねた。」


「…ううん。
あたしの方こそごめんね。

でも何であんなに怒ってたの?」



あたしはふと疑問に思っていたことをこぼす
確かあの電話で彼は“さすがにあんなとこ見ちゃったら俺だって…”と言った

一体彼は何を見たというのだろうか



「え?あぁ。
もういいの、あれは」


突然彼はあたしを抱きしめていた手を離し
そっぽを向いて話題をそらそうとする


「ちょっと〜
言ってくれないと分かんないでしょ」


「だから、もういいんだって。」


少しだけ怒ったように眉をひそめる彼。
それでもあたしはその話題を続ける


「それに…さっきの何?
触るなって。
広瀬君はただあたしを保健室に連れて行こうとしただけでしょ?
それなのに…あんな言い方」


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