未来観測
履いていた靴を乱暴に脱ぎ
あたしを押しのけ、ずかずかと家の中に入る寛人。

な・・・何?
あまりの横柄な態度にそう言葉に出してしまいそうになるけど
そこを何とかぐっとこらえた


「・・・寛人。
びしょぬれじゃん。
寒くない?お風呂でも入る?」


そんなあたしのおどおどした態度に、うんざりしたような表情を浮かべた彼は
その言葉を無視して部屋の奥へと進む

そんな顔しなくてもいいじゃん。
思わず心の声が漏れそうになった


押し黙る寛人に
更に気まずい空気が場を支配する


「それとも何か食べる?チャーハンとかならすぐ作れるよ。
それかラーメンの方がいい?」


そんなとんちんかんな質問に
とうとう寛人が大きなため息をついた

そしてこう一言。


「せんせーはどうしてそんなに普通でいられるの?」

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