EMERALD
彼は知らないはずがない
世羅が、彼らの国の言語を理解できることを
なのに、彼は今、世羅に聞かれまいとするために、そのことも忘れて、日本語を口にしなかった
彼は、今とても苦悩している・・・
《君を連れ去ることなんて、簡単だッ。けど、そんなこと出来ない・・・!君にとっての当たり前の日常を奪い取るなんて・・・》
「殿下、私・・・」
ちゃんと聞こえている
そう、伝えようとした
《君から【自由】を奪い取るなんて、僕には、できない・・・ッ》