EMERALD
世羅を抱き締めていた腕から、力が抜ける
レオナードは、その場に崩れ落ちた
「・・・僕は王子だ」
「知ってるわ」
見下ろすレオナードは、とても小さく見えた
「僕には、君を愛する資格がない・・・ッ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
かける言葉が、見つからない
何をすればいいかも、分からない
目の前で傷つき、悩む彼に、何の答えも与えてやれない
慰めることも、導くことも、何もできない
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