EMERALD
これが最後だとしても、私は言わない
自分で自分に約束したの
それは、破っちゃいけない
だから、絶対言わない
好きだなんて、言わない!
血が滲んでもおかしくないほど唇を噛み締めて、世羅はレオナードの胸に顔を埋めた
「セーラ・・・」
抱き締めるだけ
他には何も、望まない
触れることを望んでも、叶わなかった
それが今叶っているのだから、これ以上何も望まない
この一晩、この一晩だけ、こうしていられるなら・・・それでいい