EMERALD
歩み寄られ、最早逃げ出す隙はない
世羅は諦めて、エマと向かい合った
《お久しぶりです。旅行か何か、ですか?》
《違うわ。貴女に話があって来たの。二人きりで話が出来る場所、ある?》
言われて、世羅は少し考え込む
周りの視線もあるし、できれば大学内で話したくはない
《私、もう帰るので、我が家でもいいですか?》
《構わないわ。邪魔が入らなければ、私はどこでも》
どうして彼女は、こう自信に溢れているのだろう?