Morning moon
普段は実験助手がつくので、その手の準備なんかもやってもらえる。

しかしお休みとなると、先生が一人でやらなくてはいけない。

時間短縮のために準備しておくのだろう。


化学室へ向かう途中、生徒会室の前を通った。

ここは沙欄先輩のテリトリーだ。

心なしか緊張する。

高鳴る心臓の音を必死で隠すように、両手を胸の前でギュッと握りしめた。

なのに―――

ドキドキが聞こえたのか、通り過ぎるようとすると、タイミングバッチリでドアが開いて先輩が出てきた。


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