ひと夏の経験
一輝をほおって一人で帰った。
何分かして一輝も帰ってきた。
「なんで一人で帰るんだよ。心配したんだからな」
と一輝が部屋に入ってくる。
「ご、ごめんね…ちょっと用事があって」
「ならいいけどさ」
と帰って行った。
本当の事は言えなかった。
キスしてる所見ちゃっただなんて。
言えないよ
一輝とうまく喋れなくて、避けるように毎日を過ごした。
一輝の母親が退院の日は明後日。
夜、一輝が部屋に現れた。
「最近怒ってるみたいだけどなんかあった?俺なんかした?」
「怒ってないし、一輝はなにも…」
「そっか!じゃあ、明日買い物でも行かね?」
「いいや!明日は忙しいから。ごめんね」
とお風呂セットを手に部屋をあとにした。