ひと夏の経験







「そんなんじゃないもん…」




ドアに向かって小さく呟いた。




涙が溢れそう。
なんなんだろう。


この気持ち。

気がつけば一輝くんの部屋に向かっていた。




コンコン




「ん?」




中に入る。




「どうした?」




「別になんでもない…」




「追い出したくせにくるなんてどうかしてるよ」



ふふっと笑いながらベッドに横になりマンガを読む一輝くん。




「やっぱり帰る…」









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