Black★Joker【完結】
龍馬の家は住宅街の真ん中にあった。
「今日、兄ちゃん家にいるみたいだわ」
龍馬はガレージに停められていた黒塗りの単車に目を向ける。
「龍馬の……お兄ちゃん?」
あたしは二階建ての家を見上げて息を飲んだ。
……お兄ちゃんの存在をすっかり忘れてた。
この中に龍馬が恐れているお兄ちゃんがいるんだ。
「そんな緊張すんなって。別にとって食われるわけじゃあるまいし」
「そんなこと言ったって……」
「でも、一つだけ心配なことがある」
龍馬はクスッと笑いながらあたしを見つめる。