Black★Joker【完結】
「心配なことって何?」
「兄ちゃんのこと見たら、俺から乗り換えたくなっちゃうかも?」
龍馬は楽しそうにあたしの反応をうかがっている。
「そ、そんなことあるわけないでしょ?!」
あたしより断然男慣れしている涼子ですら、龍馬の顔をまともに見られなかったっていうのに。
龍馬以上にカッコいいお兄ちゃんって言うのは……どれほどのものなんだろう。
あたし、龍馬のお兄ちゃん見たら倒れちゃうかも?
「ま、いいや。こんなとこで立ち話もあれだし入ろうぜ」
「……うん」
あたしは胸に手を当てて大きく深呼吸すると、龍馬の後を追って家に足を踏み入れた。