Black★Joker【完結】
「おじゃましまぁす……」
キョロキョロと辺りを見渡しながら玄関先でローファーを脱ぐ。
お父さんもお母さんも……いないのかな?
シーンと静まり返っている家の中で自分の心臓の音だけが妙にうるさく感じる。
「二階が俺の部屋」
龍馬は緊張しているあたしを見てクスッと笑うと、先に階段をのぼりはじめた。
家の中はあたし達が階段を上る音意外なにも聞こえない。
本当にお兄ちゃんがいるのかもあやしい。
まさか……龍馬にからかわれたとか?
全くもう。心配して損しちゃったよ……。
すると、階段を上り終えた瞬間、奥の部屋の扉が勢いよく開いた。