Black★Joker【完結】
その部屋から流れ出た白い煙は廊下まで漂ってくる。
その煙が何であるか考える間もなく、部屋の主が顔を出した。
「おい、龍馬」
「あー……、兄ちゃんどうした?」
龍馬はその場に立ち止まって苦笑いを浮かべる。
「お前、俺の単車に勝手に乗っただろ?」
「あー……、そうだっけ?俺、バカだから忘れちゃったわ」
「バカなのは前から知ってる」
「……分かったって。これで勘弁してよ」
龍馬はハァと溜息をつくと、ポケットの中から新品のセブンスターをとり出すとお兄ちゃんに向かってポンッと投げた。